コラッ、太巻くん!仕事中にマンガ読んでるんじゃないよ! |
もう~これ仕事の一環ですから~ |
どこが仕事なの!マンガでしょそれ! |
マンガは凄いんですよ、文字を使わずに見せ方だけで イメージを伝えることができるんです。 うちの商品プロモーションにも使えるんじゃないかって 考えているんですよ~。 |
文字を使わずにイメージを伝える?どういうこと? |
これを見てください |
例えば①コマ目を見て どういうイメージが伝わってきますか~? |
ピンクなので女の子っぽいイメージだね |
これはですね、ピンクという色の効果で 「安堵、好意」というイメージがあるんですよ |
あぁ、確かに。そうなると②コマ目は喜んでいる イメージが伝わってくるね |
はい、パァーっと明るいイメージですよね~ |
これ、表情は皆同じなのに コマの表現の仕方によって印象が変わるね |
そうです~!それが文字を使わずにイメージを 伝える方法なんですよ~ |
そうなると③コマ目は・・・ |
社長に怒られている鶴野部長ですね~ |
ちょっ! |
もっと見てみましょう~ |
マンガで伝えられるイメージ
①安堵、好意。
②明るくなる。気分が晴れる。喜び。
③悲壮感。落ち込み。ショック。ガーン。
④絶望や孤独。誰も聞いてないというギャグにも使える。
⑤強調。または正面に迫ってきているスピード感の表現。
⑥暗い部分がだんだん明るくなることで時間経過。人物の背中側が
暗いとそこから何か現れそうという恐怖を表現できる。
単に余白を埋めるだけにも使える。
⑦より強い強調。とにかく中心のものに集中させる効果。
⑧枠からはみ出ている物がページの中で特に目立つので、
人物の登場シーンや決め台詞のシーンに使うと効果的。
背景はめでたい時に使うパンパカパーンのイメージ。
⑨不安、心配。モヤモヤとした感じを表現。
⑩推理マンガでよく使われる。何かに気づく表現。
⑪下にスピード線があることで、驚きや興奮を表現。
⑫横からのスピード線があることで、慌ただしさ、焦り、忙しさ。
走っている人物と合わせることでスピード感を表現。
表現方法っていろいろあるんだね~ |
まだまだあります。 この⑲コマ目なんて鶴野部長っぽさを表現できているかと。 |
あっ、細井くん。どこ行ってたの? |
まだまだあるマンガで伝えられるイメージ
⑬枠線が無い。開放感を表現。人物の登場コマに使える。
単にコマ割りにバリエーションを持たすために使われることもある。
⑭逆光。大事なことを言うときやミステリアスな時に使える。
⑮目のドアップ。目だけで感情を伝えたい、何かを訴えたいときに使える。
黒の背景と組み合わせることで悪いことに気づいた様子を表現できる。
⑯本来コマ枠がある部分を無くすことで人物にフォーカスさせる。
人物が本来あるべきコマ枠で切れていることで見え方が引き締まる。
デフォルメキャラと相性がいい。
⑰引きのコマは場面の状況を説明するのでストーリーを重視するなら
定期的に入れるといい。手前に枯葉などを描くことで奥行が伝わる。
⑱少女漫画でよく使われる変則的なコマ割り。コマ枠が黒い直線とは
限らず、傾いてることもある。
⑲どこから読んでも良いコマ割り。これは中心の人物が周りの人達に
悪口を言われてるシーンを表現。複数の人が意見を出している時に使える。
⑳顔が見切れている人物を使うことで、前のコマに対して何かを
結論づけていることを表現。
ちょっ、細井くん!⑲コマ目って これ悪口言われてるんじゃないの! |
ふっ、部長の椅子もそろそろ空きそうだ |
太巻くんは⑳コマ目表現しないでいいから! |
このように、文字を使わずにコマの表現だけで、ユーザーに狙ったイメージを伝えることができます。
これに文字が加わるとでより一層強化したイメージをユーザーに伝えることができます。
つまり、それが“マンガ”です。
マンガが文字以上に伝わりやすいと言われている理由には、以上のような背景があるからだと言えます。