「文章」と「マンガ」理解度が高いのはどちらか?
「同じ内容をマンガで伝えた場合と、文章で伝えた場合、理解度が高くなるのはどちらだと思いますか?」
実験では愛知教育大学の学生2~4年生計38名が参加。学習教材および理解度を確認するテスト、被験者の主観的な印象を調査するためのアンケートが実施されました。
被験者はマンガもしくは説明文を黙読し、その後要約の作成を行ないます。要約は「図」か「箇条書き」の2つの形式で行なわれました。
- マンガ×図
- マンガ×箇条書き
- 説明文×図
- 説明文×箇条書き
提示形式と要約作成形式の違いによる理解度テストの結果
この結果は、他の条件とは異なり、まとまった文章を読む、書くという行為が含まれていないことが原因として推測できます。マンガや図は、全体把握に有効であり、細かい部分を捉えるのに有効な説明文や箇条書きとは性質が異なるため、正答率が低下するのは自然な結果だったと考えらえます。
これは「マンガ」に箇条書きを組み合わせることで、「マンガ」も「説明文(文章)」同等に細かい部分を伝えるのに有効であることを示しています。
「それなら説明文×図を使えば、マンガを使う必要はないのでは?」と思うかもしれません。
通常ビジネスにおいてターゲットに情報を伝える手段は、広告、Webサイトのコンテンツ、ランディングページ、オウンドメディア、チラシやパンフレットなどになります。
つまりビジネスにおけるコンテンツは「ターゲットに能動的に読んでもらう」必要があります。
弊社ではそこを明確にするため、下記のアンケートを実施しました。
文章とマンガについてアンケートを実施
アンケートは2017年11月に100名に対して実施。回答ありを集計しグラフ化しています。


圧倒的にマンガが目に留まるという結果になりました。
さらに日本人にとって「マンガは文化」であり、子どもから大人まで親しまれています。それによりマンガは目に留まりやすいだけではなく、抵抗なく読んでもらいやすいという特徴もあります。
以上の結果から、マンガは文章よりも目に留まりやすく、かつ読まれやすいと言えます。
下記のマンガを読んでから回答をお願いします。
Q.上のマンガは口臭サプリメントを紹介しています。マンガを読んでどのような口臭サプリメントか理解できましたか?

さらに先に述べた齋藤ひとみ氏[1]の実験において実施された「マンガと説明文のどちらが理解しやすかったか」というアンケート結果が下記です。
以上のような理解度に関するアンケート結果では、マンガは理解しやすい表現形式であると考えている人が非常に多いことを示しています。
[1]齋藤ひとみ, ʻ学習内容の理解における提示形式と要約作成形式の効果ʼ, 愛知教育大学研究報告, 教育科学編. 2008, 57, p. 167-172.
[2]向後千春, ʻPA205 学習マンガにおける学習内容とストーリーの記憶ʼ, ⽇本教育⼼理学会総会発表論⽂集, vol. 35, p. 38, 1993.