ビジネスマンにこそマンガでの訴求が有効だった!その理由とは?

ビジネスマンにはマンガで訴求が有効

ビジネスマンの新しい情報収集の形とは?

”時は金なり”
ビジネスマンにとって時間は有限でありとても貴重です。

一般的に年収が高いビジネスマンほど忙しく、限られた時間の中でやるべきことが多くなります。そのため時間に対しての意識がとても高く、生産性を求めます。

そんなビジネスマンにとって情報収集は必要不可欠ですが、世の中は情報で溢れかえっています。まず多くの情報の中から、信頼できる情報を取捨選択することが重要になります。その上で、欲しい情報をできるだけ短時間で取得したいと考えています。

つまり、ビジネスマンは「信頼できる情報を短時間で取得できること」を求めています。

ビジネスマンの情報収集法の例

  • ・信頼できる優良な情報を発信しているニュースサイト
  • ・専門家が情報を発信しているブログやメルマガやTwitterなどのSNS
  • ・セミナーやオンラインサロン
  • ・ビジネス書
上記の中でもビジネス書は信頼性が非常に高いですが、他の情報収集法に比べると情報を取得するまでに時間を要します。

しかし、ビジネス書の中でも時短に成功しているケースがあります。

それが「マンガで分かる●●シリーズ」です。

一度読んでもらうと分かるのですが、通常のビジネス書を読むよりも短時間で読み終えることができます。まさにマンガが「時短ツール」となっている良い例です。

よって、ビジネスマンの新しい情報収集の形として「マンガ」が加わったと考えられます。

「それ本当?マンガはビジネス書に比べて取得できる情報の質が低くなるのでは?」
と思うかもしれません。

その点について、興味深い実験結果があります。

「マンガ」と「文章」で成績に差は生まれるのか?

⽇本教育⼼理学会総会発表論⽂集で向後千春氏[2]は、学習マンガを学習目的で読む場合と自由に読む場合とで、学習内容とストーリー部分の記憶に違いが見られるかを検討する実験を行なっています。

実験に参加した富山大学の2~4年生の学生75名を下記の3つのグループに分けました。

  1. マンガ学習条件
  2. マンガ自由条件
  3. 文章自由条件

その結果としては、マンガを読む場合と文章を読む場合では、テストの成績に差はありませんでした。この結果は、他の記事で説明している「マンガ」と「文章」では成績には有意差が出ないという齋藤ひとみ氏[1]の理解度のテストと似通う部分があります。
理解度テストの内容はこちら

つまり「マンガ」と「文章」では、得られる情報やその理解度について差がないという結果となりました。このことから「ビジネス書」と、その内容がマンガ化された「マンガで分かる●●」で得られる情報の理解度に差はないと思われます。
しかし上記の実験の中で「マンガ」と「文章」で有意差が出た部分もあります。

「マンガ」と「文章」でマンガが優れていた点とは

向後氏[2]の実験の中で「マンガ」と「文章」において、読み終えるまでの時間を計測したところ下記の結果となりました。

1.マンガ学習条件=9.1分
2.マンガ自由条件=8.7
3.文章自由条件=11.3分

マンガの方が読み終わるまでの時間が短いという結果になりました。
これは成績は同じでもマンガの方が時短になることから、マンガの学習効率の高さを示唆しています。

以上のことから、同じ内容の情報でもマンガの方が時短になることが分かりました。これは短時間で情報収集したいと考えている忙しいビジネスマンにとって朗報でしょう。

では、「マンガ」と「文章」どちらの方が早く読めるか?理解度に差は生まれるか?あなたの目で実際に確かめてみましょう。

下記のマンガと文章を読み比べてみてください。
左の「マンガ」と右の「文章」は同じ内容です。

時間短縮マンガ

どちらが読み終えるまでの時間が短かったでしょうか?

おそらくマンガの方が短時間で読めたと思います。その理由は、マンガでは「絵」が情報を伝えているからです。

たとえば1コマ目の「指を指しながら驚く3人のサムライ」という説明が文章では必要になります。しかし、マンガではそれを絵で表現しています。それにより視覚から「指を指しながら驚く3人のサムライ」という情報が瞬時に頭に入るわけです。

同じような現象が2コマ目、3コマ目、4コマ目でも起こっています。つまり、マンガのコマ数が増えれば増えるほど、読み終えるまでの時間がマンガと文章では広がっていくことになると推測できます。

これがマンガが「時短ツール」である理由です。

続いて「マンガ」と「文章」において、理解度に差は生まれたでしょうか?

もしかしたら「マンガの方が理解できた」と思われるかもしれません。それは絵があることで情景が伝わりやすく、記憶に残りやすいことが影響していると考えられます。

マンガを読むビジネスマンのメリット

  • ・短時間で情報を取得できる
  • ・文章と差がなく理解できる
  • ・印象に残りやすい
  • ・読みやすい
以上のことから、「マンガ」は「文章」に比べて短時間で読め、理解度に差がないことから、ビジネスマンに向けて訴求するツールとして有効であると言えます。
参考文献
[1]齋藤ひとみ, ʻ学習内容の理解における提示形式と要約作成形式の効果ʼ, 愛知教育大学研究報告, 教育科学編. 2008, 57, p. 167-172.
[2]向後千春, ʻPA205 学習マンガにおける学習内容とストーリーの記憶ʼ, ⽇本教育⼼理学
会総会発表論⽂集, vol. 35, p. 38, 1993.


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